お子さまを持つ方にとって「塾はいつから通わせるべき?」と疑問を持つ人は多いでしょう。実際、塾に通い始めるのは幼稚園から高校までさまざまなタイミングがあります。そのため、自身のお子さまに合ったタイミングで塾に通わせることが大切です。
今回は、塾に通うタイミングや塾の効果を最大限発揮するためのポイントについて解説します。また、塾を選ぶ際に確認すべきポイントについても紹介するため、入塾を検討している人は参考にしてください。
【幼稚園・小学校・中学校・高校】塾はいつから通うべき?
まずは、塾はいつから通うべきなのか幼稚園・小学校・中学校・高校別に解説します。
【幼稚園】通塾率は高くないが、受験から英語、スポーツまで幅広く対応
幼稚園の塾は、「幼児教室」と呼ばれ、全国各地に存在します。ここでは、幼稚園の塾の通塾率と通う目的について見ていきましょう。
通塾率
幼稚園児の通塾率は、10%前後のため、それほど高くありません。
幼稚園児が塾に通う目的
お子さまの成育のためにも、スポーツや芸術、音楽などに触れる機会は感性を養う重要な機会です。
幼稚園児が塾に通う目的は、幼児教室、お受験教室、学童保育教室、子ども英語、子どもスポーツなど学校関係の勉強以外にも多様に存在しています。 余裕のある方は、ぜひお子さまを通塾させてあげることをご検討ください!
【小学生】小学校の授業についていけず、通塾時期が早期化傾向
小学生から塾に通わせる人も多くいます。ここでは、小学生の塾の通塾率と通う目的について見ていきましょう。
通塾率
公立の小学校では、低学年(1年生~3年生)では30%前後の通塾率で、学年が上がるにつれて上昇傾向になります。6年生になると、50%程度のお子さまが塾に通っています。
私立の小学校においては、どの学年も半数以上の通塾率ですが、学年が上がるにつれてさらに上昇傾向になっていることがわかります。
学年 | 通塾率 |
---|---|
小1 | 26.9 |
小2 | 30.2 |
小3 | 36.5 |
小4 | 40.0 |
小5 | 47.5 |
小6 | 51.4 |
学年 | 通塾率 |
---|---|
小1 | 66.4 |
小2 | 61.4 |
小3 | 72.4 |
小4 | 78.2 |
小5 | 81.7 |
小6 | 78.3 |
出典:学習塾白書2023 「市場規模 通塾率 平均額の定義」より作成
小学生が塾に通う目的
小学生が塾に通うのには、大きく分けて2つの目的があります。1つは、学校の授業の補習で、もう1つは中学受験の対策です。
①学校の授業の補習
学校で教わったことが定着していない生徒や、授業についていけない生徒が、授業内容を理解するために通塾しています。 また、学習習慣をつけるため、基礎学力を向上させるために塾に通う場合もあります。
②中学受験対策
近年の中学受験の傾向として、小学校の授業範囲と入試の試験内容に大きな違いがあることがあります。 そのため、中学受験をする小学生は進学塾へ通うことが一般的になっています。
【中学生】内申点対策のためにも、中学1年生からの通塾をオススメ
中学生になってから塾に通わせる人はどのくらいいるのでしょうか。ここでは、中学生の塾の通塾率や通う目的について解説します。
通塾率
中学生の通塾率は、公立では学年が上がるにつれて上昇傾向になります。3年生では、84.0%と高い値を示しています。
私立は各学年ほぼ横ばいとなっています。
学年 | 通塾率 |
---|---|
中1 | 57.8 |
中2 | 69.2 |
中3 | 84.0 |
学年 | 通塾率 |
---|---|
中1 | 51.6 |
中2 | 53.4 |
中3 | 56.7 |
出典:学習塾白書2023 「市場規模 通塾率 平均額の定義」より作成
中学生が塾に通う目的
中学生が塾に通う目的の1つが高校受験対策です。そして、一般的な公立高校の入試は、入試対策と、内申点対策の2つが必要です。
①入試対策
入試対策については、中学校の履修問題から出題されることがほとんどのため、3年生から受験勉強をしても間に合うでしょう。
②内申点対策
一方、内申点対策は1年生から行う必要があります。多くの都道府県では2年生以降の成績が内申点に反映されるため、1年生から塾へ通う必要はないと考えるかもしれません。ですが、2年生の勉強(特に、数学や英語)については1年生で習う基礎を土台にした発展学習のため、2年生以降の内申点を上げるには、1年生からの準備が大切です。
以上から、中学1年生~3年生までの高い通塾率には納得がいきます。中学生のお子さまには、学校の勉強でつまずくところがあれば、1年生からでも塾に通って、基礎を固めておくことをおすすめします。
【高校生】志望大学に合わせたカリキュラム、授業形式選びが重要
高校生から塾に通う場合は、志望大学にあわせたカリキュラム・授業形式選びが重要です。ここからは、高校生の塾の通塾率や通う目的について見ていきましょう。
通塾率
高校の通塾率は、公立では1年生~2年生で約31%、3年生で38%です。
私立では1年生で約35%、2年生で38%、3年生で42%です。
学年 | 通塾率 |
---|---|
高1 | 30.7 |
高2 | 30.7 |
高3 | 37.9 |
学年 | 通塾率 |
---|---|
高1 | 35.3 |
高2 | 37.6 |
高3 | 42.1 |
出典:学習塾白書2023 「市場規模 通塾率 平均額の定義」より作成
高校生が塾に通う目的
高校生が塾に通う目的は、大きく分けて2つあります。1つが学校の勉強の補習で、もう1つが大学受験の対策です。
①学校の授業の補習
高校での学習内容は、中学に比べて学習範囲が広くなり、難易度も上がります。
そのため、塾に通うことで学校の授業内容の理解を目指します。
②大学受験対策
大学入試では、大学、学部ごとに独自の問題を出題することがほとんどです。また、出題形式もマーク式や記述式、基礎的な問題から応用的な問題の配分など、学校によって異なるため、各学校の入試の特徴をしっかりおさえながら、自分が学習するべき内容に合ったカリキュラムの塾を選びましょう。
塾に通う効果を発揮するためのポイント
塾は、学校での授業の補修や受験対策などさまざまな目的で通います。しかし、ただ通うだけでは、効果を最大限発揮できない可能性があるでしょう。ここでは、塾に通う効果を最大限発揮するためのポイントについて解説します。
塾の目的を明確にする
塾に通う際には、通う目的を明確にしておくことが大切です。塾と一口にいっても、進学塾や補習塾、総合学習塾、専門塾などさまざまな塾が存在します。そのため、目的に合った塾を選ばなければ、塾の効果を最大限発揮できません。
たとえば、塾に通う目的が中学受験対策や高校受験対策である場合は、受験対策に特化した進学塾が適切でしょう。一方で、学校の授業の補修が目的であれば、補習塾が適切です。受験対策と学校の授業の補修の両方を目的としている場合は、総合学習塾がよいでしょう。
また、国語や数学、英語などの特定の科目のみ勉強したい場合は、専門塾が適切です。このように塾に通う目的に応じて、行くべき塾の種類が異なるため、事前に目的を明確に決めておきましょう。
塾で学ぶ教科や回数を決める
塾に通う効果を最大限発揮するには、目的に応じて塾で学ぶ教科を決めることも大切です。たとえば、数学を伸ばしたいという場合は、数学が中心的に組まれているカリキュラムの塾に通いましょう。
また、英語と国語など、いくつかの科目で基礎力を強化したい場合は、苦手な強化を中心に受講しつつ、季節講習などでこれまでの復習をするのがおすすめです。
また、塾に通う回数を決めることも大切です。週に何度も塾に通わせればよいというわけではなく、お子さまに合わせて決める必要があります。たとえば、家で勉強する習慣がついているのであれば、週に何度も塾に通わせる必要はありません。
一方で、塾に通いたいという人や、家での勉強が集中できず塾のほうが効率的に勉強できるという人は、塾の回数を増やしてもよいでしょう。
塾の指導形式を決める
塾の指導形式には、「個別指導」と「集団指導」の2つがあります。それぞれ特徴が異なるため、お子さまに合った指導形式を選択することが大切です。それぞれの特徴は以下の通りです。
指導方式 | 特徴 |
---|---|
個別指導 | ・少人数制での指導で、それぞれの学習状況に合わせた指導が可能 ・お子さまのペースに合わせて指導できる ・勉強についての質問や悩みをすぐに回答できる |
集団指導 | ・複数人での授業形式の指導で、周囲の生徒と競いながら勉強できる ・周囲の人とのコミュニケ―ションによって、学習意欲を向上できる ・クラス内での発表などにより、自己表現力を身につけられる |
上記のように個別指導と集団指導では、特徴が異なるため、お子さまの学習状況や性格などに合わせた指導形式を選びましょう。
たとえば、自身のペースで勉強を進めたいお子さまには、個別指導が適しています。一方で、クラスの人達と競い合いながら勉強していきたいというお子さまには、集団指導が適しているでしょう。
塾と家庭での学習とのバランスをとる
塾と家庭での学習とのバランスをとることも、効果を発揮するための重要な要素です。具体的には、塾で学んだ知識を家庭での学習によって定着させれば、高い効果を発揮できるでしょう。
また、家庭での学習は、お子さま自身で計画的に進めなければならないため、責任感や自主性などを育てるのにも役立ちます。お子さまの学習を塾だけに任せずに、塾と家庭での学習をバランスよくすれば、塾に通う効果を最大限に発揮できるでしょう。
塾選びで確認すべきポイント
お子さまに合った塾を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここからは、塾選びで確認すべきポイントについて見ていきましょう。
設備
塾を選ぶ際には、教室以外の設備について確認しましょう。具体的には、以下のような設備があるとよいでしょう。
- 自習室
- 食事ができるスペース
- 受験対策についての本
- セキュリティ面
上記の設備のなかでも最も重要なのが自習室です。お子さまが家で集中して勉強ができるのであれば、自習室の有無はあまり重要ではありませんが、ほかの人の目が行き届く自習室で勉強したほうが集中できるという人もいるでしょう。そのため、塾を選ぶ際には、自習室の有無と自由に使用できるのかについて確認することが大切です。
ほかにも、食事ができるスペースや受験対策についての本などがあるとさらに便利でしょう。また、セキュリティについても確認するべきです。お子さまが心配な場合は、防犯カメラなどのセキュリティ対策がされているのかも確認しましょう。
サポート体制
塾を選ぶ際には、サポート体制についても確認することが大切です。たとえば、担当講師が学習状況の進捗を確認してくれると学習に慣れないお子さまでであっても学習習慣が身に着くようになるでしょう。
また、体調不良などで塾を休んだ場合の対応や保護者面談、三者面談、進路相談の実施の有無などを確認することも大切です。塾を休んだ場合は、そのときの授業を別の日に改めて実施してくれると、学習状況が遅れることも防げるでしょう。
講師のレベル・相性
塾の講師には、正社員として雇用されているプロの講師と、大学生のアルバイト講師がいます。指導する経験が豊富でわかりやすい教え方の講師を希望する場合は、正社員として雇用されているプロの講師がおすすめです。一方で、アルバイト講師であっても教え方がわかりやすい人もいるため、塾の無料体験などの際に確認しておきましょう。
また、講師との相性も確認する必要があります。塾の無料体験の際に、「この人であれば子どもの学習意欲が高まりそう」といったことを確認しましょう。
口コミ・評判
塾を選ぶ際には、口コミや評判なども確認しましょう。塾選びにおいて最も重要なのは、お子さまに合った塾であるため、口コミや評判がよいからといって必ずしもお子さまに合う塾とは限りません。
塾の口コミや評判を知りたい場合は、塾ナビで検索してみてください。
まとめ
今回は、塾はいつから通うべきかについて解説しました。幼稚園、小学校、中学校、高校でお子さまに合ったタイミングで塾に通わせるようにしましょう。また、塾に通う効果を最大限発揮するためには、塾の目的を明確にしたり、学ぶ教科・回数を決めたり、お子さまに合った指導形式を選んだりするなどのポイントを押さえることが大切です。
塾を選ぶ際には、塾ナビを活用して設備やサポート体制、講師のレベル・相性、口コミ・評判なども確認しましょう。この記事を参考にお子さまの入塾を検討してみてはいかがでしょうか。
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