予備校への進学を考えている人のなかには、費用の内訳や選び方に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。予備校の費用は入会金や授業料、季節講習費など多岐にわたり、選択肢も豊富です。さらに、国公立大学と私立大学の受験対策、個別指導と集団授業、オンライン塾など、目的に応じてさまざまな形態が存在します。
そこでこの記事では、予備校費用の内訳や、入寮費用、通学時期について詳しく解説します。また、予備校選びのポイントやサポート体制の確認方法についても触れるため、予備校への進学を検討している人や、お子さまの受験をサポートしたい保護者の皆さんは、ぜひ参考にしてください。
予備校へ通う場合に発生する費用
予備校へ通う場合、かかる費用としては、次の4点です。
予備校へ通う場合に発生する費用
- 入会金
- 授業料
- 季節講習費
- 模試費用
それぞれの費用について、詳しくみていきましょう
予備校へ通う場合に発生する費用:入会金
予備校へ通う際には入会金が必要になります。各予備校の入会金の例は以下のようになっています。
入学金の比較
入会金 | |
---|---|
A予備校 | 100,000円 |
B予備校 | 70,000円 |
C予備校 | 101,200円 |
D予備校 | 100,000円 |
出典:2024年塾ナビ調べ
予備校によっては、入会金が割引になるキャンペーンを実施しています。
予備校によって金額は大きく異なるため、入会前に調べておきましょう。
予備校へ通う場合に発生する費用:授業料
授業料は予備校やコースによって金額は異なります。
大学受験に特化した予備校を参考に、年間にかかる授業料をまとめてみました。
国公立大学受験と私立大学受験
国公立大学受験
国公立大学を目指すとなると理系でも文系でも年間で平均87万円程度かかるようです。
国公立理系 | 国公立文系 | |
---|---|---|
平均 | 868,800円 | 868,800円 |
A予備校 | 978,000円 | 978,000円 |
B予備校 | 950,000円 | 950,000円 |
C予備校 | 682,000円 | 682,000円 |
D予備校 | 865,000円 | 865,000円 |
出典:2024年塾ナビ調べ
私立大学受験
私立大学を目指すとなると理系でも文系でも年間で平均82万円程度かかるようです。
私立理系 | 私立文系 | |
---|---|---|
平均 | 818,000円 | 818,100円 |
A予備校 | 890,000円 | 890,000円 |
B予備校 | 870,000円 | 870,000円 |
C予備校 | 682,000円 | 682,000円 |
D予備校 | 830,000円 | 830,000円 |
出典:2024年塾ナビ調べ
私立大学を目指すコースの方が、国公立大学を目指すコースよりも若干費用が安いことがわかります。
個別指導塾と集団塾
一般的に、個別指導塾の方が、集団塾よりも授業料が高くなる傾向があります。
また、同じ予備校でも目指す大学によってコースの金額は異なります。
ホームページに各コースの費用を掲載している予備校もあるので、事前に調べておきましょう。
個別指導塾・集団塾ともにメリットがありますので、お子さまの性格や特性、学習ニーズに合わせて予備校を比較してみてください。
個別指導塾のメリット
①生徒の習熟度・時間に合わせてオーダーメイド式で授業を受けることができる
②わからないところを聞きやすい
③生徒に合う講師を選ぶことができる
集団塾のメリット
①周りの生徒に対して、競争心を持って勉強に取り組める
②個別指導塾と比べて安い
③決められた時間で一定のカリキュラムを終えることができる
オンライン塾
オンライン塾の費用は、対面式の予備校と比べて、費用が安いことが特徴です。
予備校によってサポート体制はさまざまのため、事前に確認するとよいでしょう
予備校へ通う場合に発生する費用:季節講習費
季節講習費用の比較
予備校によっては、通常授業とは別に、春期講習・夏期講習・冬期講習といった季節講習を実施しております。
季節講習を受講する場合は、1講座あたり約21,200円かかります。
1講座受講料 | |
---|---|
平均 | 21,200円 |
A予備校 | 19,700円 |
B予備校 | 28,000円 |
C予備校 | 金額不明 |
D予備校 | 16,000円 |
出典:2024年塾ナビ調べ
例えば、春期講習、夏期講習、冬期講習それぞれで3講座ずつ受講した場合、年間で約19万円程度追加で費用が必要になります。
自分にあった講座を受講するようにしてください。
予備校へ通う場合に発生する費用:模試費用
受験対策において、模試は実力を測る重要な機会です。予備校に通う場合、定期的に実施される模試の費用も考慮する必要があるでしょう。
予備校で受験する模試の費用は、一般的に1回あたり約4,000円から8,000円程度です。この金額は模試の種類や実施形態によって変動します。予備校オリジナルの模試や、オンラインで受験できる模試は比較的安価な場合もあるでしょう。
模試の頻度は予備校や学年によって異なりますが、高校3年生の場合、年に5回から7回程度実施されます。そのため、年間の模試費用は、多い場合約1万2,000円から4万円程度と考えられます。この費用は授業料とは別に必要となるため、予算計画を立てる際には忘れずに計上しましょう。
模試は自身の学習進捗を確認し、志望校合格の可能性を推し量る貴重な機会となります。費用対効果を考えながら、適切な頻度で受験することが大切です。
入寮する場合には入寮費用がかかる
地方から都市部の予備校に通う場合や、自宅からの通学が困難な場合、入寮を選択する人も多いでしょう。入寮した場合は、別途費用が必要となります。
予備校の寮に入る場合、年間200万円から250万円程度の費用がかかると想定されます。これは、入寮費と寮費に加えて、光熱費や通信費、諸経費などが含まれている金額です。多くの予備校寮では食事付きのプランが一般的で、朝夕の食事が提供されるため、食費の心配もほとんどありません。
入寮費用の内訳は予備校によって異なりますが、入寮時に必要な初期費用として入寮費や保証金が設定されている場合があります。また、月々の寮費は、個室や相部屋の選択によって変動するでしょう。光熱費や通信費は寮費に含まれていることが多いですが、別途請求される場合もあるため、事前に確認が必要です。
寮生活には、集中して勉強できる環境や、同じ目標を持つ仲間と交流できるといった利点があります。ただし、費用面では自宅通学や賃貸アパートと比べて高額になる可能性があるため、予算と相談しながら検討しましょう。
予備校にはいつから通うべき?
一般的に、予備校に通い始めるのは高校3年生からが主流です。受験直前の時期に集中して対策を行うため、多くの生徒がこの時期に通い始めます。しかし、近年では早期から対策を始める傾向も見られ、高校1年生や2年生から通う人も増えています。
高校1年生から通う場合は、基礎学力の向上や学習習慣の確立に重点を置いて活動できます。2年生からは、受験を見据えた応用力の養成や苦手科目の克服に取り組むことが可能でしょう。3年生になると、本格的な受験対策と志望校に特化した学習が中心です。早期から通塾することで、余裕を持って受験準備を進められる利点があります。
一方で、費用面や高校での学習との両立を考慮する必要があるでしょう。自身の学力や目標、家庭の事情などを総合的に判断し、最適な通塾時期を決めることが大切です。
予備校を選ぶ際のポイント
予備校を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、効果的な予備校選びのためのチェックポイントを詳しく解説します。自分に合った予備校を見つけるため、これらの要素を慎重に検討しましょう。
予備校のサポート体制についても確認する
予備校選びでは、学習面だけでなく、総合的なサポート体制も重要な判断材料となります。予備校では、勉強以外の面でも生徒をバックアップする体制を整えているのが一般的です。
例として、進路相談や志望校選びのアドバイス、メンタルケアなどが挙げられます。定期的な個別面談の機会や、保護者向けの説明会を実施しているかも確認しましょう。また、自習室の利用時間や質問対応の体制なども、学習効率に大きく影響します。
さらに、一部の予備校では、寮生活のサポートや生活面でのフォローも行っています。地方から通う生徒には、住居探しの支援なども重要なポイントとなるでしょう。こうしたサポート体制の充実度を比較することで、自分に合った環境を選択できます。
受講する科目を絞る
予備校の選択肢として、全科目を網羅的に受講するだけでなく、特定の科目に絞って受講するという方法もあります。この戦略は、効率的な学習計画を立てるにあたって有効な選択肢の一つです。
特に苦手科目や、志望校の入試で重視される科目に絞って受講することで、集中的に弱点を克服できるでしょう。また、得意科目は自学自習で対応し、予備校では苦手科目のみを受講するという方法も考えられます。
科目を絞ることで、授業料を抑えられることも利点です。ただし、バランスの取れた学力が必要な場合もあるため、志望校の入試科目や自身の学力を考慮して判断しましょう。予備校によっては、科目別の受講プランを用意しているところもあるため、柔軟な選択が可能な場合があります。
志望する大学の指導ができる講師がいるのかを確認する
志望大学に特化した指導が受けられるかどうかは、予備校選びの重要なポイントです。各大学の入試傾向や出題パターンを熟知した講師の存在は、受験対策の効率に大きく影響します。
まず、予備校のウェブサイトや説明会で、講師陣の経歴や専門分野を確認しましょう。志望大学の出身者や、その大学の入試に精通した講師がいるかどうかをチェックします。また、過去の合格実績や、志望大学別の対策講座の有無も重要な判断材料となるでしょう。
さらに、可能であれば体験授業に参加し、実際の授業内容や指導方法を確認することをおすすめします。志望大学の特徴を踏まえた具体的なアドバイスや、的確な問題分析ができる講師の存在は、合格への道標となるでしょう。
特待生制度を利用する
予備校のなかには、成績優秀者や一定の条件をクリアした生徒を対象とした特待生制度を設けているところがあります。この制度を利用できれば、経済的な負担を軽減しながら質の高い指導を受けられるかもしれません。
特待生制度の内容は予備校によって異なりますが、一般的に授業料の減額や免除、教材費の割引などの特典があります。なかには、月々の費用を半額以下に抑えられるケースもあるでしょう。また、特別講座の受講権や個別指導の機会が与えられることもあります。
特待生になるための条件は、入学試験の成績や内申点、模試の結果などが考慮されることが多いです。ただし、特待生の資格を維持するために一定の成績を保つ必要がある場合もあるため、制度の詳細を事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
予備校に通う場合、入会金、授業料、季節講習費、模試費用などが必要です。また、入寮する場合は別途費用がかかります。通塾時期は個々の状況に応じて選択することが大切です。
予備校選びのポイントとしては、サポート体制の確認、受講科目の選択、志望大学に詳しい講師の有無、特待生制度の活用などが挙げられます。これらを考慮し、自分に合った予備校を選ぶことが重要です。
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