塾には、個別指導塾と集団指導塾の2つの指導方式があります。それぞれ特徴が異なり、お子様に合った指導方式を選ばなければ、塾による効果が発揮されにくくなります。
今回は、個別指導塾と集団指導塾の違いや費用について解説します。また、個別指導塾と集団指導塾のどちらに行くべきか迷った際のポイントも紹介しているため、お子様の入塾を検討している方は参考にしてください。
個別指導塾と集団指導塾の違いとは
「個別指導塾」の特徴 | 「集団指導塾」の特徴 | |
---|---|---|
1 | 生徒の習熟度・時間に合わせてオーダーメイド式で授業を受けることができる。 | 決められた時間・カリキュラムで授業が行われるため、一定のペースで学習を進められる。 |
2 | わからないところを聞きやすい。 | 周囲と切磋琢磨することにより、生徒の「やる気」が上がる。 |
3 | 生徒にあう講師を選ぶことができる。 | 比較的月謝が安い。 |
上記の表は個別指導塾・集団指導塾の特徴の代表例です。
個別指導塾
完全1対1授業、教師1人対生徒2、3人など1人の教師が少人数の生徒を教える、というのが個別指導塾です。生徒の学習進度や部活動などの時間的都合に合わせてオーダーメイド式の授業を選択できます。少人数であるために質問しやすい、教師の目が行き届きやすいというのも個別指導塾の大きな魅力です。多くの個別指導塾が無料体験授業を行っているので、お子様だけでなく保護者も個別指導塾の教室へ行って授業を体験してみましょう。また集団指導塾同様に、塾ナビの口コミや資料請求、電話問い合わせで個別指導塾の理解を深めましょう。
集団指導塾
集団指導塾の多くは、プロ教師が指導をするので、ハイレベルな授業が展開されます。また、受験に関する情報量もかなり豊富です。全国模試などにも積極的に参加することが多いので、お子様の相対的な立ち位置を掴むことも比較的容易です。しかし、教師1人に対する生徒の数が多いので、教師の目が生徒に行き届かないという場合もあります。
しかし、そういった場合でも個別でフォローをしてくれることも多いので積極的に先生に話しかけることのできるお子様にとっては問題無いかと思います。
切磋琢磨できる環境で、年間を通したカリキュラムが組まれているので学習習慣が定着しやすい集団指導塾。とはいえ集団指導塾にはそれぞれの雰囲気があるので、実際に体験授業に通ってみる他、塾ナビの口コミや資料請求で興味のある集団指導塾の理解を深めましょう。
個別指導塾向きのお子様、集団指導塾向きのお子様
「個別指導塾」向き | 「集団指導塾」向き | |
---|---|---|
1 | 苦手分野の克服や、特定教科のみ学びたいなど、自分のペースで学習したい方 | 一定のカリキュラムに沿って学習を進めたい方 |
2 | 部活動や他の習い事とも両立したい方 | 競争心が強く、負けん気が強い方 |
3 | 弱点の発見から勉強のスケジュールを組みたい方 | 先生に質問することに抵抗が無いなど積極的な方 |
一概には言えませんが、おもに上記のような傾向があると言われています。
個別指導に向いているといわれるお子様のタイプ
授業内容・授業時間を自分の都合に合わせたいというお子様に個別指導塾は柔軟に対応することができます。
苦手分野をまず克服したい、どんどん先取り学習をしたい、部活動や他の習い事も頑張りたい、というお子様には個別指導塾は最適な環境です。また、1人の教師が少人数の生徒を教えるという授業形式なので、お子様の学習進度や勉強に対する姿勢など、個別指導塾はあらゆる面でサポートします。そのため、自己管理が苦手なお子様には個別指導塾の授業形式が合っていると言われています。
集団指導塾に向いているといわれるお子様のタイプ
集団指導塾は受験を見据えて、一定のカリキュラムを年間を通して着実にこなすので、一定のペースで学習を進めていきたいお子様には向いています。また大勢の仲間とともに学習するので、競争心や負けん気が強いお子様には最適な環境です。そのため集団指導塾に向いているお子様にとっては学力の面でも、人間性の面でも大きな成長があるでしょう。
個別指導塾と集団指導塾の費用を比較
個別指導塾と集団指導塾の費用は異なるのでしょうか。一般的には、講師1人に対して生徒も1人もしくは数人の個別指導塾の料金が高くなりがちです。しかし、個別指導塾・集団指導塾以外にも料金に影響する項目はあります。ここでは、個別指導塾と集団指導塾の費用を学年別に比較します。
小学生の場合の費用
小学生の場合は、個別指導塾と集団指導塾に加えて、中学受験の対策をする進学塾なのか、学校の勉強の補習を行う補習塾なのかによって費用は異なります。それぞれの費用は以下の通りです。
塾のタイプ | 個別指導塾 | 集団指導塾 |
---|---|---|
進学塾 | 約30,000円~100,000円 | 約20,000円~80,000円 |
補習塾 | 約10,000円~25,000円 | 約10,000円~15,000円 |
中学生の場合の費用
中学生の場合も個別指導塾・集団指導塾に加えて進学塾か補習塾かによって費用が異なります。それぞれの費用は、以下の通りです。
塾のタイプ | 個別指導塾 | 集団指導塾 |
---|---|---|
進学塾 | 約30,000円~100,000円 | 約30,000円~70,000円 |
補習塾 | 約15,000円~30,000円 | 約15,000円~30,000円 |
高校生の場合の費用
高校生の場合は、進学塾・補習塾という概念がないため、個別指導塾か集団指導塾かで費用が決まるのが一般的です。それぞれの費用は以下の通りです。
塾のタイプ | 個別指導塾 | 集団指導塾 |
---|---|---|
約16,000円~80,000円 | 約30,000円~60,000円 |
個別指導塾と集団指導塾のどっちがいいか迷ったときのポイント
自身のお子様を塾に通わせる際に、個別指導塾と集団指導塾のどちらがよいのか迷う人は多いでしょう。ここでは、学年別に個別指導塾と集団指導塾で迷った際のポイントについて解説します。
小学生の場合
まず前提として、中学受験を控えているお子様の場合は、塾に通うべきですが、それ以外の場合は、無理に通わなくても問題ありません。
中学受験を控えている場合は、大手の集団指導塾に通うのが一般的です。中学受験では、その学校独自の問題を出題されることが多いですが、大手の集団指導塾であれば、過去の志望校のデータをもとにカリキュラムを組まれています。
また、小学生は、自身でモチベーションを上げるのが難しいため、クラスメイトによるほどよい刺激があったほうがやる気が起こりやすいでしょう。ただし、お子様によっては、プレッシャーに弱かったり、人見知りであったりする人もいるため、しっかり見極めることが大切です。大手の集団指導塾がストレスに感じている場合は、個別指導塾や厳しすぎない集団指導塾を選ぶとよいでしょう。
中学生の場合
中学生の場合は、高校受験の対策や学校の授業の補習などの目的が多いです。高校受験の対策が目的の場合は、集団指導塾がよいでしょう。集団指導塾では、同じ目標を持つクラスメイトと切磋琢磨しながら勉強できるため、モチベーションが高い状態で受験対策ができます。ただし、積極的に質問ができないというお子様や、授業についていけないというお子様は、個別指導塾が向いているでしょう。
学校の授業の補習が目的の場合は、個別指導塾がおすすめです。個別指導塾では、生徒それぞれの学習ペースに合わせたカリキュラムを組んでいるため、理解できるまでチャレンジできる環境が整っています。さらに、わからないことがあれば、すぐに質問できるため、集団だと委縮してしまうお子様でも効率的に勉強を進められるでしょう。
高校生の場合
高校生の場合は、大学受験の対策が目的であるケースが多いです。志望校が国立である場合は、5科目が受験範囲となるのが一般的です。基礎学力がある程度身に付いており、5科目すべてをまんべんなく勉強したいというお子様の場合は、カリキュラムがしっかり組まれた集団指導塾がよいでしょう。
一方で、5科目のなかで得意の科目と不得意な科目の差が激しいお子様や、集団での授業だとついていけないというお子様は、個別指導塾がおすすめです。
また、志望校が私立の場合の受験範囲は、3科目であるケースが多いです。なかでも苦手な科目のみを克服するために塾に通う場合は、個別指導塾がよいでしょう。
個別指導塾と集団指導塾は併用できる?
個別指導塾と集団指導塾を併用したという人もいるかもしれません。結論からいうと個別指導塾と集団指導塾の併用は可能です。しかし、目的が不明確だったり、お子様が望んでいなかったりすると併用する意味がありません。
併用は可能だが目的を明確に決める
まずは個別指導塾と集団指導塾を併用する目的を明確に決めることが大切です。集団指導塾のみでは満たせないニーズを洗い出して、このニーズを個別指導塾で担うようにしましょう。
たとえば、「集団指導塾では知識をインプットして、個別指導塾でテストなどを行ってその知識をアウトプットしたい」「集団指導塾で取り扱っていない科目を個別指導塾で学習したい」などが目的として挙げられるでしょう。
お子様の意志も尊重する
個別指導塾と集団指導塾を併用する際には、お子様の意志も尊重することが大切です。2つの塾に通うことは、お子様にとって大きな負担となります。そのため、お子様が納得していないのにも関わらず、保護者の意見だけで併用しても効果は発揮できません。
個別指導塾と集団指導塾の2つに通わせたいと検討している方は、お子様の意見をしっかり聞くようにしましょう。
まとめ
今回は個別指導塾と集団指導塾の違いについて解説しました。個別指導塾では、生徒1人に対して生徒が1人もしくは2~3人の少数制の指導方式です。一方の集団指導塾は、講師1人に対して、数十人程度の生徒がいる指導方式です。それぞれ、特徴が異なるため、お子様の学習状況や性格などに合わせて選択しましょう。
また、費用は個別指導塾のほうが高額になる傾向にあります。さらに、進学塾や補習塾などの種類によっても異なるため、しっかり確認しておきましょう。塾ナビでは、個別指導塾と集団指導塾のそれぞれの塾をご紹介できます。塾ごとの口コミも確認できるため、お子様に合った塾が見つかるでしょう。お子様を個別指導塾と集団指導塾のどちらに通わせるべきか迷っている方は、ぜひ「塾ナビ」を活用してみてください。